譜面には書けない音がある
20年間歌い続けて、ようやく言葉になったこと。
今日は歌とか音楽の表現のお話。
今日は歌を「する側」の話をします。
歌が上手いとか、下手とか
音程がいいとか、リズムが正確とかより
もっと奥にあるもの。
すんごい簡単に書くから【推しが歌ってたり演奏してる】なら
こんな視点も知って欲しいとそう思って書いていく。
私は昔から、歌詞から歌を好きになってた。
耳に残ったメロディーも、最後に心をつかまれるのは歌詞であることがほとんど
歌詞を読み込んでいると、その曲の世界が少しずつ自分の中にできあがっていく。
主人公はどんな景色を見ているんだろう?
どんな空気の中にいて、どんな温度でその言葉を口にしているんだろう。
そんな問いをしていると自分だけのMVができあがる。
これまじで3日程前までほとんどみんなに起こる現象だと思ってたんやけど
その感覚が誰にでもあるものではないと知って
うそやん
っておもいましたまじで
音楽を聴いても映像は浮かばないという人もいるようで
結局のところ
自分の当たり前を標準にしてしまっていたいい例ですが(あほ露呈)
冷静になると…
音やリズム、歌詞を、それぞれ違う形で受け取っていて当然です
同じ曲を聴いていても、頭の中で起きていることは、人によってこんなにも違うんだ。
そのことを知ってから、「自分が歌をどう受け取っているのか」を
考えて深堀りしていました。
そんな中8/9に演奏をお願いするギタリストさんと練習後にお話をしていて、
20年間気付かないといけないものに気づかせてもらい、
一気に線がつながった気がしました。
「伴奏でできることは、譜面通りにリズムや音を正確に弾くこと。でも、ボーカルが曲に対して持っている”可視化できない情報量”が多ければ多いほど、強弱やアレンジの感覚を掴みやすい。」
私は、演奏をしてくださるからこそボーカルがしっかり届けないといけない
私が20年間、「歌の感情を引き出したい」とこだわり続けてきた中で、
予想外にも聞き手だけでなく
演奏側でも情報を受け取ってくれている人がいたんだと。
私は「感情」という言葉を使ってきたけれど、本当はそれだけやなくて
その歌が持つ表情
その歌が持つ色
その歌が持つ温度
その歌が持つ景色
歌詞は単体でも完成された芸術だと思う。
しかし歌う側の私にとっては
その芸術をさらに鮮やかにするための入り口である。大きな扉。
その奥にある世界まで受け取るための。
私は、その見えない情報を歌に乗せたいと思って歌う
だから歌詞を理解することは私にとって、とても重要
もちろん、正確な音程やリズムは必要です。
でも、それは表現の土台にすぎなくて。
歌詞を理解せずに歌うことは、その歌が本来持っている情報量を
自分で減らしてしまうことだと私は思っています。
そこに関連する話でもう一つみなさんも聞いたことがあるかもしれない言葉
二度と同じライブはない
この言葉って私にとってはこういう事なんです。
私は同じ歌を、二度と同じようには歌えません。
その日の出来事。
その日の気分。
ライブ全体の流れ。
歌っている途中で
「今日はこの言葉だ」と急に心をつかまれる瞬間。
その一瞬で、強弱も息遣いも変わります。
相方も、
「前に歌ったときから積んできた経験が加わるから、同じ歌にはならない。」
と言っていました。
これも本当にその通りだと思います。
私にとって歌は単なる人前の歌唱や好きな事を発表するものじゃないと思ってる。
歌は歌い手が生きてきた人生が、そのまま更新され続ける
だから私は、自分の歌の魅力は「上手い・下手」だけでは測れない場所にあると信じています。
これは20年間、変わらず持ち続けてきた考えです。
技術の先にあるもの。
その歌が持つ景色や空気、温度や色。
そういう「見えない何か」を受け取ってくださる方が
私の歌を長く愛してくださっているのだと思っています。
私は、万人受けする歌い手ではない。そんなことは最初から分かっている。
「歌が上手いね。」
嬉しい誉め言葉です。ありがとうございます。でもね
その評価だけで終わって次がない方には
私の歌はきっと届いてないと感じてる
むしろうまいなんて言わずに好きって言ってくれる人がおおい。
私が届けたいのは、歌の向こうにある景色をふくめたものだから。
それに昔からデジタルボーカルがあり
最近はAIが歌を歌う時代にもなりました。
私はその技術を否定したいわけではありません。
それらにも役割や需要があるから生まれ、取り入れられているのです。
でも、人が歌う歌で届けられるものは、毎回刷新されていく「表情」だと。
今日しか見えない景色。
今日しか乗らない感情。
今日だからこそ響く言葉。
そんな小さな奇跡が幾重にも重なって、生まれる音がある。
その音は、決まった譜面には書けない。
だから私はライブが好きなんです。
今日は、音楽を「する側」の視点で書いてみました。
もし好きなシンガーさんやプレイヤーさんがいるなら
是非こんな目線でもご覧になってみてください。
この人は、今日はどんな景色を見て歌っているんだろう。
演奏者は、その景色をどう音にしているんだろう。
もちろん実際に私のように映像化している方だとは限りませんが
そんなことを想像しながら聴くライブは、また違った面白さがあるかもしれません。
そして私は、これからも歌の感情を引き出したい。
いや。
もっと正確に言うなら、
その歌が本来持っている表情や色を、声に宿し
その歌が見ている景色を、誰かへ渡せる歌い手でありたい。
それが、20年間歌ってきた現時点で最新の私の答えです。
直近のライブは遠いけど、岡山の牛窓にて無料です。
素敵な言葉をくれたギタリストさんと、脳内MVを作り毎度違う歌を歌い続けてきた相方と3人で作る【譜面には無い音】を受け取りにいらしてください!


